Kleisli Tripleの定義の図的理解
3つ組$ (T,\eta,(-)^*)
自己関手$ T:\mathscr{A}\to\mathscr{A}
自然変換$ \eta
これは射の族$ \{\eta_A:A\rightarrow TA|A\in \mathrm{ob}_\mathscr{A}\}
写像の族$ (-)^*
これは、射$ f:A\to TBから、射$ f^*:TA\to TBを与える操作
ちゃんと書くと$ \{(-)^*:\mathscr{A}(A,TB)\to \mathscr{A}(TA,TB)|A,B\in\mathrm{ob}_\mathscr{A}\}
この3つ組$ (T,\eta,(-)^*)が以下を満たすとき、クライスリトリプルと呼ぶ
①$ f^*\circ\eta_A=f
②$ \eta_A^*=\mathrm{id}_{TA}
③$ g^*\circ f^*=(g^*\circ f)^*
以下ではこの①~③が何を言っているのかを図的に解釈する
最初に全体を俯瞰をする
こういう世界を考えている
https://gyazo.com/74046dc3dab2dd4be48bbc6f6cb48990
関手$ T,\mathrm{id}_\mathscr{A}の存在を強調するためにこう描いているが、左右ともに圏$ \mathscr{A}のことを表しているので、本質的には黄色で囲った部分だけを見ればいい
最初の3つ組$ (T,\eta,(-)^*)はこの図の赤い部分のこと
https://gyazo.com/17eed86a84a04d88811e1fc10f368339
次に満たすべき性質①~③を見る
①$ f^*\circ\eta_A=f
https://gyazo.com/219ea643c064b9cf817d455a35ea9d08
赤線の箇所を可換にしている
②$ \eta_A^*=\mathrm{id}_{TA}
$ (-)^*は↓こういう操作だった
https://gyazo.com/de20676d0efa1f17a85a10e216d2f056
これを$ \eta_A:A\to TAに適用するので
$ \eta_A^*: TA\to TAになることがわかる
これが恒等射$ \mathrm{id}_{TA}と全く等しいと言っている
https://gyazo.com/49a28860fab286ec463847cc469c1600
③$ g^*\circ f^*=(g^*\circ f)^*
https://gyazo.com/3f909286202250af039f82b6599a35c4
一瞬ギョッとするが、一つずつ見れば何も難しくない
https://gyazo.com/c9749d91a130379846b326aaa3e9e69a
左辺の$ g^*\circ f^*は、$ g^*と$ f^*の合成なので、図上の青の矢印に相当する
右辺の括弧の中の$ g^*\circ fは、頭上の緑の矢印に相当する
その$ A\to TCを、$ (-)^*に適用したものなので、それは$ TA\to TCである
これは紫の矢印に相当する